高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

「高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)」水月 昭道光文社

アマゾン購入感想

太った豚になるよりは、痩せたソクラテスになれ♪ 幼い頃の祖父の口癖は、「大工か左官になれ!」でした。その意味が解かる人も少ない現代です。島国・日本で職に就くには、3次産業以上の高次産業については、これからあまり考えないほうが良い、慢性失業が続くから。日本では、進学率において、理系が2割文系は8割と言われるように、文系が圧倒的に多くなっている。管理社会である。しかし、どの学部を出ようが企業では、あまり使えない。職に就き、10年くらいの経験がないと実務に適さない。だから、なんでもかんでも大学ではなく、修士・博士ではなく、社会で自分がなにを貢献できるかを考慮し、進学すべきで、大学より学部選択が重要な課題であろう。理系においては、現在産学連携をとっているところもあるが、大学の学部が増加を辿り、研究においては専門としておおくの分野があって良いが、実務に欠ける学部も少なくない。究極の選択が必要である。
 すなわち、必要のない学問を翳し、「試験の対象」とする東大および官僚の策に陥れられている事実は十分納得できる。たとえば、英語の必要性を問う。たぶん、意味のない学問である。日本語すらわからない日本人が、何故、ここまで英語にこだわるのか、昔は通用したが、今の時代では「差別学問」であり、必要性を感じない。これも、官僚と東大教養部の仕手であろう。
 労働・雇用問題の根源は官僚主義ということを理解したほうが良い。国連の勧告においても指摘されている。かつて、江副がリクルート旋風をおこしたことの原因を見定めるべきであろう。職安の特権である唯一の職業斡旋を、民間主導による、例えばアルバイトニュースなどで気軽に若者を誘い込んだ結果が、ワーキングプアーを引き起こしたのである。また、管理社会となり、公務員や天下りが納税者の2〜5倍の給与を得ており、貧困な労働者を搾取していることに注目して欲しい。「公金の合法的横領」を行なっている公務員の姿を現状認識する必要があると考える。兎に角、資源のない日本人は、技術なしで、そしてサービスのみでお金を得ようとする安易な考えを止めるべきであろう。
 ここで、東大総長・大河内一男の名言「太った豚になるよりは、痩せたソクラテスになれ」を思い出して欲しい。拝金主義もいいが、官僚はもっと国民へ「奉仕」すべきであって、搾取をしてはならないと考える。アメリカの帝国主義を見習っては国が滅びる。いや、滅んで再構築したほうが良い世情かもしれない・・・

大学院進学を考えている人は読むべき ある私立大学では、その大学で開講している全講座の専任教員による担当率は、わずか二四%だという。七五%の講義は、大学で正規に雇われる教員によってではなく、その大学に本来関係のない外部の人たちによってまかなわれているのだ。大学の教育的義務の側面を考えると、これはまずいのではないだろうか・・・・・。 

 大学院生=頭がいい という訳では決してなく、今はお金に余裕があれば誰だって(というのは御幣があるだろうが)入れるという。少子化が進んでいる中、どうして大学院に進む人は確実に存在するのか。そもそも日本に院卒者を受け入れる企業がたくさんあるのか。
 大学院生がある程度の数を確保できるカラクリを、本書では分かりやすく忠実に示している。先生に言われて「大学院もいいなぁ」と考えている学生がいるならば、間違いなくこの本を読んでほしい。そしてもう一度よく考えてほしい。きっと考えが変わるであろう。
 筆者自身が講師であるためか、どうしても「必死さ」が滲んでしまっている気がする。院を卒業してもこんなに大変なんだよ!ということが前面に出てしまい、内容が盛り込みすぎであった印象が残った。もう少し扱う内容を絞っても良かったかなと思ったが、本自体は面白かった。

ちょっと扇情的な週刊誌記事のようだが、実感は伝わってくる定職につけていない博士が12500人、修了者には行方不明、死亡も多い。少ない収入でぎりぎりの生活をしている優秀な博士号取得者の現状が多くの事例で「これでもか」と取り上げられる。この状況を招いた文部科学省と東大を批判する。私の周りにも博士課程在籍者で、なかなか就職が見込めない人があり、社会的な現象になっているのだろうと思うのだが、若干扇情的に書きすぎなのではないかという風に思えた。博士号取得が専任教員への過程でなく、自らの自己実現の目的としていくべきという著者の意見には賛同するし、これから多くの社会人が勤めながら博士号を取得していくような社会も望ましいと思う。ただ、大学院研究室での「会議の準備や飲み会の手配など下積みの仕事で、人と顔をつきあわせるのでコミュニケーション能力が上がる」という筆者の主張については、企業など何らかの組織に入ったら当然あることで、特別に大学院で得られるスキルではないと思った。

あまり分析的でない1.“学位持ち投稿者の論文を学位を持たない査読者が掲載却下するのは不当だ”。
査読付雑誌は内容の如何で掲載/不掲載を決めるものです。一般的には、修正や不掲載の場合はその理由を投稿者に伝えているはずです。その当否を議論をしないと意味はありません。

2.“コンビニバイトは屈辱的だ”。
もっと時給のよいバイトを探してはどうかとしかいえません。塾などの受験産業とか。大学の非常勤講師の仕事は日中が中心であるのに対して受験産業の場合は夜が中心になるから両立は不可能ではないでしょう。

3.“人文・社会科学系での就職は困難だ”
人文と社会科学では全然状況が違います。社会科学の場合あんまりきつくありません。認識が雑だと思います。

4.“学歴ロンダ組は不利だ”
別のレヴュワーの指摘にもあるように、「ロンダ」で研究者としてやっている人は多くいます。大学入試で測る学力と研究者としての資質は必ずしも一致しません。

5.4章までと5章との論調の相違
社会批判を展開する4章までと、“気の持ちようが大切”と大学院進学を称揚する5章−1人の筆者の1つの著作においてこの一貫性の欠如は無責任だと思います。

「博士が 100 人いる村」の書籍版自分自身が博士課程に進んでしまった方、あるいはそういう人が身近にいるという方、現実を知るためにも読んでおくべき一冊。かもしれない。

ひとことで言えば、「博士が 100 人いる村」をデータや現実の例を挙げてより詳しく提示した本です。本のタイトル(副題)もなかなかに強烈ですが、内容はそれ以上にショッキング。

かなり衝撃的な内容ですし、かなり衝撃的な実例も示されています。ただし、あまり大まじめにショックを受けないようにご注意を。はっきり言って、内容的には偏っている部分も多いです。また著者の恨み節が入ってしまって、穿った見方をしている部分も多いです。一定の距離を保ちながら、冷静に現実を読み解いていくのが賢い読み方でしょう。

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