派遣のリアル-300万人の悲鳴が聞こえる (宝島社新書)
「派遣のリアル-300万人の悲鳴が聞こえる (宝島社新書)」門倉 貴史宝島社
アマゾン購入感想
やはり同情できない悲惨と言えばそうかもしれませんね、それだけです。
これを含めワーキングプアの実態を書いた本を数冊読んだ感想として派遣労働者にまったく責任、オチ度が無いのかというと疑問です。
悲惨と言えば悲惨ですが何故そうなったか、という点から見ると
・低学歴(専門学校を出たのに専門職につかない、中卒、高卒、理由も無き大卒、無資格)
・無貯蓄(彼らが裕福でもすぐにカネを使い果たしてしまうのではと思う貯蓄の習慣の無さ)
・無設計(失礼ですが、言うことは一人前ながら見通しは非常に甘い)
・社会性の欠如(みんな沈めばいい、世界が崩壊すればいいと破滅への妄想等)
テレビの報道では彼らの悲惨な「実態」ばかりで「経緯」はさらっと数秒程度です。じっくりと考えるのなら本が一番です。門倉さんのワーキングプアでは経緯もしっかりと書かれています。
子供や周囲に勉強しないとこうなるよと教えるのとしてはいいと思いました。
企業だけに「改善」を求めても解決しない「ワーキングプア」を読まれた人なら気づかれたと思うが、単なる統計データの説明だけでなく、インタビューでの「生の声」を載せることで、より生々しいドキュメンタリーになっている。
特にドキュメント(7) 27歳自動車工場派遣。採用時の条件と全く話が違う・・・
ドキュメント(8) 46歳、元教師。製造業派遣の現場はあまりにひどい
は、ふつうの正社員からみたら「想像を絶する世界」になっている。
むろん、この二人に全く責任がなかったわけではない。
ドキュメント(7)の場合は、二浪のうえに大学留年までしているから、新卒正社員はよほどがんばらないと無理だっただろう。
ドキュメント(8)の場合は、理由が書いてないので不明だが、「安定した職業である教師を辞めた」のはあまりにも無謀である。
このあたりは、「自分の時間を持つためにあえて正社員を選ばなかった例」と根本的に異なる。こちらの方が「派遣という現実」に対して、よりポジティブである。
本来「派遣」という「ひとつの会社に縛られない生き方」は「高度な専門職」にこそふさわしい。現実は全く逆で、「単純作業」「3K(キツイ、汚い、危険)作業」ほど「派遣」に頼っている。
現在、企業が直面している厳しい現実をみれば、100%正社員化は不可能である。ただ、「本来の派遣のあるべき姿」に少しでも近づけるためには、「正社員を選べなかった人」に対して、スキルアップのための公的支援が不可欠である。
派遣社員やフリーターも避ける正規雇用、多いよ派遣さん、フリーターさん、ニートさん、誰にでも正規雇用の道はあります。
但し、中小以下の会社ならという条件付きですが。
こういった問題が論議される度に非正規雇用で働く人達も避ける正規雇用の存在はどうなんだ?
と、考えてしまう。
実際、サービス残業を考慮した実質時間給が千円以下で働いている
40代,50代の正社員は結構います。
年齢,経験一切不問、とりあえず来てくれ!と悲鳴をあげている中小,零細製造業を、
彼らは選り好みして避けています。(もしくは仕事がキツイといってすぐ辞める)
その現実は無視できるものではありません。
正直、救うもなにもないと思いますけど。
派遣社員の団体交渉の必要性「ワーキングプア」の門倉貴史氏の書。
一般派遣社員や「ネット難民」で話題になった
日雇い派遣の苦しい現状を伝えている。
前著「ワーキングプア」と同じ構成で、
各テーマについて概要を述べてから、
取材に基づき「生の声」をいれることによって、
読み物として堅くなりすぎず、読みやすくなっている。
正直、「ワーキングプア」から1年ほど経ち、
各メディアが派遣の現状を取り上げていることから、
それほど目新しい内容はないという感じも受けた。
ただ、個人的には、P147の団塊世代が派遣の賃金に影響?
はかなり興味深い内容であった。
わざわざ若者を非正社員で雇うよりも60歳以上の
団塊世代を雇用した方が生産性があがるという。
短期で利益を求める企業にとって、若者の非正社員
を雇う理由はない。
上記のようなところに問題の根深さを改めて感じる。
とにかく私達がやるべきことは、ドキュメントF「27歳、自動車工場派遣」
の方のように、非正社員が一致団結し、会社と団体交渉していくことだろう。
それが全体的な世の中の流れとなり、世論を形成し、政治を動かし、
本当の意味で派遣社員の地位向上を目的とした法律が成立すれば、
派遣社員の地位は向上し、労働環境は今よりマシになるのではないか。
険しい道のりであるが・・。
若干ネガティブな表現をしたが、苦境にあえぐ派遣社員の現状を
わかりやすくまとめた本書は一読の価値がある。
☆4つ。
派遣で生きる人にこそ必要な「知識」という武器派遣という仕事で生きる人々の姿を、
丁寧に調べた数字とインタビューで
生き生きと描き出している。
「派遣」と一括りにされて語られがちだが、
その中でも天と地ほどの差があり、
先進諸外国での実例も交えながら、
日本の派遣事情を紐解いていく。
水は低きに流れるもの。
何も知らず、知ろうとせず、ただ流されていては
下流へと漂うだけになってしまう。
正社員よりも、より荒く、激しい流れに
身を置く派遣という生き方。
自らを守る鎧と武器を探す人に、
この本はきっと手助けになるだろう。
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